昨日、母校・上智大学での恩師であるビセンテ・ボネット教授の最終講義に出ました。テーマは「私の教育理念」。
ボネット先生は、今年で70歳、スペインから日本に来て40年。最後まで一貫して自らの良心と信念を貫き、それに基づいて行動した(そして現在も行動している)人。常に社会的に弱い立場を強いられている人々の側に立ち、彼らを代弁し、正義を実践してきた人です。
私の考え方や言葉づかいには、学生時代に受けたボネット先生からの影響が少なからずあります。
最終講義もやはり、それを聴く我々が、無力という神話と言い訳を捨て、自分の立場でできることをするよう鼓舞するものでした。ユーモアを織り交ぜた話が終始その場を和やかにしていましたが、先生の40年は並みの苦労ではなかったはずです。
また、講義スライドの中に私が学生時代に携わったいくつかのイラストが出てきて、懐かしく感じたのと同時に、そのころの理想に燃えていた自分をもう一度取り戻したいとも思ったのでした。
私は私の属するアートの領域において、信念を貫き、できる限りのことをしようと気持ちを新たにすることのできた貴重な一時間半でした。