いわゆる「足利事件」の被疑者であった菅家さんがえん罪となった。
東京新聞記事
当時の「1000人のうち12人」があてはまるというDNA鑑定の結果罪に問われ、17年間殺人犯扱いを受けた菅家さんの心境は、想像を超える。
今回は検察側も再審開始前の異例の釈放だった。この背景には社会がえん罪に対し敏感になったこともあるかもしれない。
その一つの要素に、痴漢と間違われた青年の裁判を緻密に描いた周防監督の映画
「
それでもボクはやってない」
があるだろう。
私はこの映画を観て、恐ろしくなった。
えん罪は「ごく普通に」ありえる話であるからだ。
何年か前、夜道ばたに女性が倒れていたので携帯電話で救急車を呼んだことがある。女性は意識を戻し、無事搬送され行ったのだが、そのあとに警察に職務質問をされたのが、なんとも後味がわるかった。私はただそこを通りかかっただけであって、身元を明かさなければいけない理由はまったくないのだから。
そのとき思ったのが、彼女が精神でも病んでいて、もし突然「この男に突き飛ばされました」と私を指して口走ったとしたら、どうなっただろかと。
男性諸君、少なくとも電車では、見ず知らずの女性からは離れて立ちましょう。