カテゴリ:ことば( 4 )
グッドウィル
心理学者の河合隼雄先生の受け売りになりますが、アメリカの学校ではまず、日本の学校のように「個性を伸ばす教育」、「個性を大切にしよう」などというスローガンは掲げません。それは、アメリカ人が個性を大切にするのは、当たり前のことだからです。日本人がそれを宣言しなければならないのは、社会がまだ個性を大切にできないから、言葉に出して意識しなければそれができないのです。

逆にアメリカ人は、よく「平等」を掲げますが、これは、社会がまだ不平等だから、平等を意識しないといけないということです。

この観点から見ると、いま問題になっている「グッドウィル(=善意、厚意の意味)」という社名の会社は、それをあえて社名として掲げなくてはいけない理由があったのだとも、考えることができます。
[PR]
by eight2one | 2007-06-13 11:30 | ことば
感動と感心
私がよく言うことのひとつに、

「感動と感心はちがう」

というのがあります。

たとえば、高度な技術を持ったピアニストの演奏会で、これでもかこれでもかと超絶技法を駆使した演奏を観たとき、人は「すごい」と「感心」はするのですが、なかなか「感動」はしません。クラシックの音楽家(作曲家を含む)は、感動と感心を履き違えることがよくあります。

それに対し、つたないピアノを弾きながら音域の狭い歌をうたうシンガーソングライターのステージで、心底「感動」することがあります。その場合、「感心」するネタはほとんどありません。でも「感動」します。

どちらか一方を極めた人を我々は「一流」と呼びます。まれに両方を極めた人がいますが、そのような人を「超一流」と呼びます。

スポーツ選手でも、技を極めた人は一流ですが、そのうえ、人のためになる、たとえば、ファンのために常にプレイするマインドを持った選手は、超一流です。

料理店でも、技術で感心を、味とサービスで感動を極めれば、超一流です。

そう考えると、誰もが何らかの領域において、「超一流」になれる可能性があるような気がします。一隅において、自分にしかできないことで、感動と感心を追求するのです。
[PR]
by eight2one | 2007-05-07 11:08 | ことば
潜在意識のなせる業
今朝ほど車に乗っていたら、横断歩道で、車が遠くにいるときには渡らずに待っていたのに、車が近づいてきたとたんに、わざわざ飛び出してきたおばあちゃんがいました(でも事故にはなっていません)。

一緒に車に乗っていた家族と、どうしてわざわざ車がいるときに飛び出してきたのかねぇという議論になったのですが、私としては、もしかすると「潜在意識のなせる業」かも、と思ったのです。

たとえばこういうことです。

野球で、選手指導の上手いコーチは、高めのボール球を空振りすることの多い選手に、「高めに手を出すな」とは、言わないそうです。

それは、「高めに手を出すな」というと、「高め」という言葉が選手の潜在意識に残ってしまうため、結局は高めのボールに手を出してしまうことが多いからだそうです。

そこでコーチは、

「いいか、低目だけを狙っていけ」

と言うそうです。すると、選手は高めには手を出さなくなるそうです。


で、その飛び出しおばあちゃん。

もしかすると、「おかぁさん!車が来たら飛び出さないでください!!」と、嫁にさんざん言われているのかもしれません(笑)。だから、車が来たから思わず飛び出してしまいました。

出来のいい嫁ならば、そこで、

「おかあさん、車がいないときに渡ってくださいね」と言うのでしょうか(笑)。


こんな話もあります。

長嶋茂雄さんが、一時期、陸上大会のレポーターをやっていましたが、そのときのエピソード。

ちょうど米国のカールルイスがカナダのベンジョンソンに世界記録を破られて、神経質になっているときでした。長嶋さんは周囲から「ベンジョンソンの名前だけは、カールルイスの前で出すな」と言われていたのでした。

カールルイスにインタビューすることになっていた長嶋さんのところに、もうすぐカールルイスが現れます。長嶋さんの頭の中では「ベンジョンソンは言ってはいけない」という注意が反芻されています。

さあ、ルイスが部屋に入ってきました。

長嶋さんは、思わず、こう言ってしまったそうです。


「やぁ、ベン君。」
[PR]
by eight2one | 2006-06-03 12:59 | ことば
ことばのちから
先日、Aさんと話していたら、何かの拍子に、私は歌わないのかという話になった。最近はまったく歌っていないが、数年前まではライヴで歌っていたし、どちらかといえば、自分の歌をうたうことが好きだった。

どれくらい前のことだろうか、ライヴのあとに楽屋で帰る準備をしていると、ライヴハウスの若い男性スタッフが掃除の手を休めて、「安達さん、あの歌、本当によかったですよ」と、しみじみ語ってくれた。その口調から、彼の言葉が本心であることが感じられてうれしかったし、ほかのインストルメンタルの曲を差し置いてその歌を評価してもらえたことに、ことばのちから、歌の持つエネルギーを、あらためて認識したのだった。

また別なライヴでは、当時はライヴのたびに歌っていたのに、そのときたまたま歌わなかったら、先輩ミュージシャンが、「安達の歌を聴きにきたんだ。歌えよ」と激怒して、ライヴの途中で帰ってしまった。その先輩は、それ以来ライヴに来てくれなくなった。当時私の歌は、自分の予想を超えて、一部の人々に支持されていた。

だが、その後私は、自分の歌をうたえなくなってしまった。決定的なきっかけは、ライヴで一緒にプレイするはずだったミュージシャン仲間の一人が、ある歌を指して、「この曲だけはやりたくない」と、その曲のリハーサルを放棄してしまったからだった。

彼は、その曲の歌詞に、どうしても共感できなかったのだそうだ。

これも、ことばのちから、である。

それ以来、歌うことが怖くなってしまった。ことばの持つ、あまりにも強い力を知っているから、それを使うことにためらいを感じるのだ。


Aさんは、今の私ならその歌をうたえるんじゃないかと言った。私自身も、そう思わないわけではない。
[PR]
by eight2one | 2006-04-29 09:36 | ことば



作曲家・安達の日記。写真は愛猫エミリオ。
by eight2one
LINKS
以前の記事
2014年 07月
2014年 02月
2013年 10月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 01月
2012年 06月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2011年 11月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 04月
2011年 03月
2010年 11月
2010年 07月
2010年 05月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 10月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
カテゴリ
rainscapes予告
ライヴ
ニュートラルライフ
よくある質問
作曲法
コーヒーと音楽
散歩
あいさつ
映画音楽
写真と音楽
BGM
雑記
作曲プラン
エミリオ
仏教
演劇音楽
レコーディング
ダンス音楽
時事
ことば
CM音楽
トレンディーなひと
マイブーム

不思議な話
音響
オーケストラ
YouTube
CD
最新のトラックバック
たはー・・・
from 珍々有
しょーすしょすしょすw
from びえぶ
ちょちょちょ(^^;
from さい8
デッケーーーおぱいw
from むろい
スマター
from けめち
珍性器フェランゲリオン
from スンズ
要するに寝てるだけでおk!
from 要旬
桑田のデビューは“ドラマ..
from スーパーサイヤ人
写真展「雨 rainsc..
from 安達ロベルトのモノクローム
写真展「雨 rainsc..
from 安達ロベルトのモノクローム
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧