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物語性(その3~音楽の物語性)
過去二回、作品の物語性について述べてきましたが、では、音楽における物語性とは、なんでしょう。

音楽には時間軸がありますから(時間の芸術といわれますね)、一見、物語性をつくりだすのは簡単に思えます。ところが、そうでもないのです。

たとえば歌詞を用いて物語を歌にしようとします。すると、多くの場合、たいくつな、状況説明的な音楽になってしまいます。多くの作曲家が、たとえば歴史の流れなどを一曲の音楽で表現してみたりしていますが、多くは非常にたいくつです。おそらく、表現ではなく説明になってしまうからでしょう。

我々が感動する音楽には、ある瞬間の心情や風景の状態を描写した類のものが多いのではないでしょうか。

物語性のある歌曲・オペラやミュージカルでは、挿入される歌には必ずしも時間軸に沿った物語性のある歌詞が使われているわけではありません。むしろ、ある特定の(恋なら恋の)心情を朗々と歌い上げるようなアリアが主でしょう。しかも、音楽そのものは、物語のように展開される構造を持っているでしょう。

一瞬の感動やときめき、深い感情や想念を、時間軸に沿って展開し、物語にする。そんな役割が、音楽には期待されているように私は思うのです。
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by eight2one | 2006-03-24 12:36 | 作曲法
3/20 live at 庄一
ライヴのお知らせです。席数が少ないので、大々的には宣伝しませんが、来る3/20(月)に、東京は日本橋浜町の「安心台所庄一」にてライヴをやります。

共演は「こぶしのきいたヴァイオリン」で有名な、小西浩子さん。

曲は、「Promised Land」、「睡蓮」など、人気のある私のオリジナル曲から、「ニューシネマパラダイス」などのカヴァー、そして、あの「●●」まで!!

おいしい料理とお酒と、美しい音楽で、「生きるって、なんてすばらしいんだ」と感じてください。

詳しくは(といってもそれほど詳しくないけど)、こちら
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by eight2one | 2006-03-10 12:30 | ライヴ
(ある意味)トレンディーなひと
ヒューザー物件に住み、ライブドア系列の会社で働き、出張へはJALで行き、東横インに泊まる。



(実在する人物ではありません)
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by eight2one | 2006-03-09 16:40 | トレンディーなひと
物語性(その2~絶妙な意外性)
さて、前回、『「ズレ」と「解決」に、物語性の核がある』と述べました。それについて、少し詳しく書いてみます。

今回は、前回書いた飛行機にまつわる短い物語を、もう少しだけ長くすることで、より楽しめる物語にしてみましょう。

では、「ズレ」る箇所、つまり『乗っていた飛行機の機体が突如大きく揺れ始め、その後左右に大きく揺れながら急激に高度が落ちていった。乗客は叫び、慌てふためいた』という箇所は、どうおもしろくできるでしょう。

たとえば、ズレる前、つまり飛行機に乗る前に、事故の予感がしたというのはどうでしょう。朝方、枕元に死んだおじいさんが現れて「今日は飛行機に乗るな」とか言ったという設定(村上春樹さんの「アンダーグラウンド」に出てきますね)は私的には好きですが、非現実的と思う人も多いでしょう。もっと現実的な、たとえば、普段は混むことのない空港までの道のりがその晩に限り混んでいて、遅刻のため一度は係にチェックインを断られた、とかいう設定もありです。

では次に、そのズレが「解決」される箇所、つまり、乗客が救われる箇所を、もう少し工夫してみましょう。

絶体絶命な状況に直面し乗客全員が歌をうたい始めたとか、機体に精通している乗客の一人がコックピットに入り込み意識不明の機長を救ったとか、UFOが現れて飛行機を誘導してくれたとか(笑)、いろんな可能性があります。あなたならどう設定しますか?

まぁ、ここで私が思いつくものは、さりとて面白いものでもないのですが、アイディアさえあれば、シンプルな飛行機墜落ドラマが、急に面白い物語になる可能性があることは分かっていただけたと思います。

予定調和的な物語の場合は、「印籠」が出てきてみんながひれ伏して「解決」となるのですが、それだけでは、つまらないと感じる人も多いかもしれません。受け手の予想に反する「意外かつ絶妙な解決」が、ほしいのです。でも、ただ奇抜なだけでは人はついてこられないかもしれません。絶妙でなくてはならないのです。この「絶妙な意外性」という点に、作家としての個性と力量が問われるのではないでしょうか。

古今東西のいろんな「名作」を思い出してみてください(この場合は小説や映画、漫画などでしょうか)。絶妙な「ズレ」と「解決」が、そこにはあるように、私は思うのです。

(つづく)
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by eight2one | 2006-03-09 12:11 | 作曲法
物語性(その1)
ここのところ、創作において大切にしようとしていることの一つに、「物語性」というのがあります。つまり、作品に「物語があるか」ということです。でもそれは、「ドラマがあるか」ということとはちょっと違います。

私は、創作の便宜上、ドラマは物語の中に含まれるけれど、ドラマだけでは物語にはならない、というふうに区別しているのです。これはあくまで私の中での定義ですから、異論もあるとは思います。その定義は以下のようになります。

ドラマは日常(通常=norm)からの逸脱、ズレの描写。

一方、物語は、normからドラマを経て、新たなnormへと還っていくストーリー。こんなふうに思っています。

たとえば、こういうことです。

「乗っていた飛行機の機体が突如大きく揺れ始め、その後左右に大きく揺れながら急激に高度が落ちていった。乗客は叫び、慌てふためいた」というのがドラマ。Normからのズレ。非日常的な状況。

「家族の待つ東京に帰ろうと、いつものように金曜日の最終の飛行機に乗った。すると、乗っていた飛行機の機体が突如大きく揺れ始め、その後左右に大きく揺れながら急激に高度が落ちていった。乗客は叫び、慌てふためいたが、乗務員の冷静な誘導により、各自が何をしなければいけないかを自覚した。短い時間に私は、これまでの人生を振り返り、家族の幸せを願った。もう誰もが死を覚悟したとき、飛行機は太平洋上に着水し、乗客全員が無事であった」というのが、物語。通常から「ズレ」て、ドラマを経て、そして「解決」される。

この即席でっちあげ「物語」は、たまたまハッピーエンドですが、もちろん、必ずしもそうである必要はありません。

そして私は、物語性の核が、この「ズレ」と「解決」にある、と考えているのです。

(つづく)

(注:一部の方はご存知の、もう一つのブログと同じ記事ですが、途中から違う話にしいこうと思っています)
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by eight2one | 2006-03-02 13:41 | 作曲法



作曲家・安達の日記。写真は愛猫エミリオ。
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